【コラム-Vol3】令和 2 年度 下都賀地区中学校新人大会・取材レポート①

2020年夏、3年生の先輩たちが最後の大会で奮闘する姿を見届けることができないまま、
部を引き継ぐことになった1・2年生の部員たち。
限られた練習時間のなか、約半年ぶりの実戦の舞台で、
自分たちの持てる力を懸命に出し切ろうとした選手たちの胸には、
無念の思いで引退していった先輩たちの分まで…という熱い思いがありました。

写真/饗庭克彦(バスケット)、池澤拓真(サッカー) 文/谷口陽子

 

“いつもの部活” が、当たり前ではなくなった 2020 年

いつもなら、試合の時はコートの外からたくさんの声援が飛び交うはずだった。
監督の指示、仲間の励まし、保護者たちの激励、そして敗れた他校の選手たちの眼差し…。
しかし、この年ばかりはいつもと同じとは言い難い光景だった。
各会場には、原則として試合に出場する選手のみ。保護者はもちろん、下級生からの応援も許されなかった。一番盛り上がるはずの決勝戦も、対戦チーム同士のみが会場に残るという静かなものだった。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、夏までの試合はすべて中止。
3年生が引退し、今後の大会も開催が危ぶまれる状況のなか、秋の新人戦については今年度は県大会を行なわず、地区大会までの開催となることが決定された。
中学校の部活動も、練習時間や練習メニューの制限を余儀なくされ、なかには入部してから一度も試合経験のないまま大会を迎えた1年生もいた。
それでも、「試合ができる」ということは選手たちにとって大きな希望だった。
3年生たちが“最後の夏”を不完全燃焼で引退していった姿を、一番近くで見ていた後輩たちは「自分たちの分までがんばれ!」というメッセージを、しっかりと受け取っていた。

 

男女で上位 8 チーム中、7 チームが小山勢で占めたバスケ

男女ともに、A・Bの2ブロックに分かれ、それぞれのブロック優勝までを決めるトーナメントとなったバス
ケット。決勝は以下の4カードとなった。※()内は決勝戦の結果
男子
Aブロック決勝…小山中vs都賀中(80-46 優勝:小山中)
Bブロック決勝…小山三中vs乙女中(40-71 優勝:乙女中)
女子
Aブロック決勝…乙女中vs美田中(107ー47 優勝:乙女中)
Bブロック決勝…小山城南中vs大谷中(45-35 優勝:小山城南中)

乙女中は男女でアベック優勝。男子キャプテンの茂田透弥は「半年ぶりに試合ができたので、プレッシャーよりも楽しさの方が大きかった。3年生が目指していた関東大会に自分たちの代で行くことが目標」と、新たな決意を口した。女子は双子の大河姉妹を中心に高い得点力を発揮。キャプテンの大河那奈も「去年は1回戦敗退だったし、県大会にも出たことはないけど、今年は経験者も多いので攻撃力には自信がある」と手応えを実感。男女そろって県大会優勝の期待が高まった。

 

因縁の対決となったサッカー決勝、間々田中vs小山三中

昨年に続き、今年度も小山勢同士の顔合わせとなったサッカー決勝戦。昨年優勝の小山三中と間々田中の対戦となった。
このわずか5日ほど前、両校は別の大会でも対戦しており、そのときは5-0で小山三中が圧勝していた。この試合でも高いボールポゼッション(保持すること)で小山三中が攻める展開が多く、流れは小山三中にあるかと思われた。
しかし、前半・後半ともに互いにシュートを奪えず、互いに決定打がないまま0-0で本戦を終え、勝負はPK戦へもつれ込んだ。

先攻の間々田中は、先に2人が失敗し後がなくなるが、最後の2人がきっちりと決めて形勢逆転。小山三中にプレッシャーを与え、見事にリベンジを果たした。
「5-0で負けたときとは気持ちを切り替えて、1vs1では負けないように意識して練習をしてきた。夏に試合ができなかった先輩たちの分まで、しっかり学校に貢献できたと思う。今年のチームは、やるときはちゃんとやって、笑うときは笑って、団結できるチーム。関東大会出場を目指してさらにがんばりたい」と間々田中・舘野キャプテン。
数日前の敗戦を修正し、チーム一丸となって掴んだ勝利に満面の笑みを浮かべた。

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